知らずに損してる?CSS記述のよくあるミス30選と対処法

CSSを使ったWebデザインでは、初心者から中級者まで陥りやすい多くの記述ミスがあります。これらのミスは、デザインの崩れやメンテナンスの難化を引き起こすことがあり、無意識のうちに時間と労力を浪費する原因にもなります。そんな“ありがちな30のCSSミス”を具体的なコード例と改善策を解説します。基礎を固めたい方や効率的なスタイリングを目指したい方はぜひ参考にしてください。
marginとpaddingの混同
問題点
要素1つ対し、同じ方向、同じ場所にmarginとpaddingを同時に指定すると、意図しない余白が重なり、デザインが崩れることがあります。
/*上に20pxの余白を開ける*/
h1 {
margin-top: 10px;
padding-top: 10px;
}
解決策
どちらか一方を使用して、余白を明確にしましょう
h1 {
margin-top: 20px; /* または padding-top: 20px; */
}
text-align: centerの誤解
問題点
text-alignでセンタリングすると、テキストは中央揃えになりますが、同時に指定しているpaddingが全方向(上・右・下・左)に適用されるため、左右にも余計な余白が生じます。
p {
text-align: center;
padding: 20px;
}
解決策
一見、問題なく見えますが、意図しない余白は、のちのちの不思議コードを避けるために必要です。この場合、必要な方向だけにpaddingを指定することで、無駄な余白を防ぎます。
p {
text-align: center;
padding: 20px 0; /* 横方向に余白を出さない */
}
忘れがちなline-height(行間)
問題点
フォントサイズだけを指定すると、行間がブラウザのデフォルト設定に依存し、見た目が不均一になることがあります。
p {
font-size: 16px;
}
解決策
line-heightを指定することで、行間を適切に調整し、テキストの可読性を向上させます。
p {
font-size: 16px;
line-height: 1.7;
}
カラーネーム 使いすぎ
問題点
カラーネーム(例: blueやred)を使うと、色の微調整が難しく、デザインの統一感が失われる可能性があります。
h1 {
color: blue;
}
解決策
CSS変数を使ってカラーパレットを管理すると、一貫性を保ちながら簡単に変更できます。
:root {
--primary-color: #007bff;
}
h1 {
color: var(--primary-color);
}
CSS変数とは?下記のページで解説しています。

インラインCSSを多用しない
問題点
インラインCSSとは、HTMLにstyle属性を使い” “(ダブルクォート)内に記述するCSSです。この場合、HTMLとCSSが混在し、再利用ができずに、メンテナンス性が低下します。
<h1 style="color: red; font-size: 24px;">見出し</h1>
解決策
外部CSSファイルでスタイルを管理すると、コードの再利用を行うのがベストです。
.title {
color: red;
font-size: 24px;
}
<h1 class="title">見出し</h1>
無駄なid選択の濫用しない
問題点
idはユニーク(唯一無二)であるべきですが、詳細度が高いため、他のスタイルが上書きしにくくなります。
#header {
font-size: 24px;
color: black;
}
解決策
classを使用することで、再利用性が高く、詳細度が抑えられます。
.header {
font-size: 24px;
color: black;
}
全要素に一括スタイルを適用
問題点
全要素にリセットを適用すると、不要な副作用が発生する場合があります。
* {
margin: 0;
padding: 0;
}
解決策
必要な要素ごとにリセットを適用することで、予期しない影響を避けられます。
body {
margin: 0;
padding: 0;
}
h1, p {
margin: 0;
}
!important使いすぎ
問題点
!importantを多用すると、スタイルの管理が複雑化し、意図しないスタイルが適用される場合があります。
.button {
color: white !important;
}
解決策
!importantの使用を最小限に留めることで、スタイルの競合を防ぎます
.button {
color: white; /* 必要な場合のみ使う */
}
!importantとは?スタイルの優先順位を強制的に上げる特殊な指定方法です。ただし、通常のスタイルルールを無視して適用されるため、複雑なCSSになる原因となります。必要な場合に限り使用することが推奨されます。
floatの片付け忘れ
問題点
floatを適用すると、親要素が子要素を包み込まず、高さが崩れることがあります。
.box {
float: left;
width: 50%;
}
解決策
clearfixを適用することで、親要素の高さを正常に保てます。
.box::after {
content: '';
display: table;
clear: both;
}
floatの解説はこちらを参照ください

overflowの設定忘れ
問題点
子要素が親要素をはみ出した場合、予期しないデザイン崩れが発生することがあります。
.container {
height: 200px;
}
解決策
overflowを適切に設定して、はみ出しを防ぎます。
.container {
height: 200px;
overflow: hidden;
}
widthとpadding/borderの計算を無視
問題点
デフォルトでは、widthにpaddingやborderが加算され、要素が予想以上に大きくなります。
div {
width: 100px;
padding: 10px;
border: 2px solid black;
}
/*実質幅は、100px + 20px + 4px の124pxとなる*/
解決策
box-sizing: border-box;を使用すると、要素の幅にpaddingとborderが含まれるため、意図したサイズを保てます。
div {
width: 100px;
padding: 10px;
border: 2px solid black;
box-sizing: border-box;
}
レスポンシブのfont-sizeでpx固定
問題点
絶対数である固定ピクセルで指定すると、デバイス間でフォントサイズが適切にスケールされません。
body {
font-size: 16px;
}
解決策
相対値を使用することで、デバイスやユーザー設定に適応できます。
body {
font-size: 1rem;
}
モバイルデザインでの固定幅
問題点
固定幅を指定すると、スマートフォンなどの狭い画面で要素がはみ出してしまいます。
.container {
width: 960px;
}
解決策
max-widthを使うことで、デバイスサイズに応じた柔軟なレイアウトが可能になります。
.container {
max-width: 960px;
width: 100%;
}
非推奨単位の使用
問題点
印刷で使われるptなどの単位はWebデザインでは推奨されていません。
.container {
margin: 10pt;
}
解決策
pxや相対ユニット(emやrem)を使用しましょう。
.container {
margin: 10px;
}
フォーム要素のスタイル未設定
問題点
フォーム要素はブラウザのデフォルトスタイルに依存するため、見た目があまりよくなく、デザインが崩れる可能性があります。
input {
padding: 0;
}
解決策
input には独自のスタイルを適用して、フォーム要素の見た目を統一します。
input[type=text] {
padding: 10px;
border: 1px solid #ccc;
border-radius: 5px;
}
クリック範囲が狭いボタン
問題点
クリック範囲が狭いと、ユーザーエクスペリエンスが低下します。スマホ画面だとタップしにくい原因になります。
button {
padding: 5px;
}
解決策
適切なpaddingを設定して、押しやすいボタンを作成します。
button {
padding: 10px 20px;
}
グラデーションの指定ミス
問題点
グラデーションの方向が明示されていないため、期待したデザインにならない場合があります。
.background {
background: linear-gradient(blue, red);
}
解決策
グラデーションの方向を指定します。
.background {
background: linear-gradient(to right, blue, red);
}
不必要に高い詳細度のセレクタ
問題点
やたらと、要素やclassを並べて指定をすると、詳細度プラスされ、詳細度が高すぎると、後でスタイルの変更が難しくなります。
body div.container > h1.title {
color: #ff0000;
}
解決策
必要最小限のセレクタで管理しましょう。
.title {
color: #ff0000;
}
トランジション未設定の動き
問題点
ホバーなどで、ぱ!と変わるような、突然の動き、突然のスタイル変更は、ユーザーに不自然な印象を与えます。
.button:hover {
background-color: blue;
}
解決策
トランジションを設定することで、スムーズなアニメーションが実現します。
.button {
transition: background-color 0.3s ease;
}
.button:hover {
background-color: blue;
}
フォントファミリの最後。フォールバック未設定
問題点
指定したフォントが使用できない場合、この場合Arialを指定していますが、そのフォントを持っていないPCの場合、意図しないフォントが適用される可能性があります。
body {
font-family: Arial;
}
解決策
フォールバックフォント(最後に指定するフォント)を指定することで、予期しないデザイン崩れを防ぎます。
body {
font-family: Arial, sans-serif;
}
不適切なz-indexの設定
z-indexは要素の重なり順を制御するプロパティです。高い値ほど上に表示されますが、値だけでなく、要素のposition(例: relativeやabsolute)も関係します。
問題点
適切なz-indexの設定がされていないと、要素の重なり順が意図と異なる結果になることがあります。
/*modal が下*/
.modal {
z-index: 10;
}
/*overlayが上に表示するべきもの*/
.overlay {
z-index: 5;
}
解決策
層構造を考慮してz-indexを計画的に設定することで、意図した重なり順を実現します。
.overlay {
z-index: 10;
}
.modal {
z-index: 20;
}
非レスポンシブな画像指定
問題点
レスポンシブサイトで画像設定の場合、固定幅を指定すると、デバイスのサイズに応じて画像が適切にスケールされません。
img {
width: 500px;
}
解決策
max-widthとheightを使って、画像がコンテナに収まるように調整します。そのため横サイズはコンテナ幅で指定するように心がけましょう。
img {
max-width: 100%;
height: auto;
}
フレックスボックスの誤った使用
フレックスボックスを使用すると、親要素内で子要素を柔軟に配置できますが、flexプロパティなどを使って、子要素の幅の値を適切に設定しないと、意図しないレイアウトになることがあります。
問題点
下記の設定では、flex: 2により該当要素が他の子要素の2倍の比率で幅を占めますが、いきなり2?というのは、意図が不明確で、全体のレイアウトが崩れる可能性があります。
.container {
display: flex;
}
.item {
flex: 2;
}
解決策
すべての子要素に同じ比率(例: flex: 1)を設定することで、均等な幅割り当てが可能になり、レイアウトが安定します。特定の要素だけ異なる比率を持たせる場合は、その理由を明確にしましょう。
.container {
display: flex;
}
.item {
flex: 1;
}
CSSグリッドでの余分な指定
CSSグリッドは自動的に行や列を生成する機能があるため、明示的に指定する必要のないプロパティを削除することで、コードを簡潔にできます。
問題点
grid-template-rows: auto;は、行の高さが自動で決定される場合、指定する必要がありません。
.grid {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
grid-template-rows: auto;
}
解決策
不要なgrid-template-rowsを削除することで、コードがシンプルになり、メンテナンス性が向上します。
.grid {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(3, 1fr);
}
アニメーションのパフォーマンス問題
leftやtopプロパティを変更するアニメーションは、リフロー(再レイアウト)を引き起こします。リフローとは、要素の位置やサイズの変更により、ブラウザが再度ページ全体を計算し直す処理のことで、これが頻発するとパフォーマンスが低下します。
問題点
このコードではleftプロパティを変更しているため、リフローが発生し、パフォーマンスに影響します。
.element {
animation: move 2s infinite;
}
@keyframes move {
from { left: 0; }
to { left: 100px; }
}
解決策
transformプロパティを使用することで、リフローを回避できます。transformはブラウザがハードウェアアクセラレーションを利用するため、よりスムーズなアニメーションを実現します。
.element {
animation: move 2s infinite;
}
@keyframes move {
from { transform: translateX(0); }
to { transform: translateX(100px); }
}
固定幅でのコンテンツオーバーフロー
問題点
固定幅でnowrapを指定すると、内容がはみ出す場合があります。特に、テキストが長い場合やコンテンツが予期せず広がる場合、意図しないデザイン崩れを引き起こします。
.container {
width: 300px;
white-space: nowrap;
}
解決策
下記のプロパティを組み合わせることで、コンテンツが指定された幅を超える場合に省略記号で表示し、デザイン崩れを防ぎます。white-spaceがテキストの改行を抑制し、text-overflowとoverflowで視覚的な調整を行います
.container {
width: 300px;
white-space: nowrap;
overflow: hidden;
text-overflow: ellipsis;
}
white-space: nowrap;: テキストが改行されずに1行で表示されます。これにより、コンテンツがコンテナの幅を超える場合があります。text-overflow: ellipsis;: コンテンツがオーバーフローした場合、省略記号(…)を表示します。overflow: hidden;: コンテンツが幅を超えた部分を非表示にします。
メディアクエリの非効率的な指定
問題点
同じ条件で複数のメディアクエリを記述すると、コードが冗長になります。
@media (max-width: 768px) {
.container {
font-size: 14px;
}
}
@media (max-width: 768px) {
.container {
color: blue;
}
}
解決策
できるだけメディアクエリをまとめることで、コードを簡潔にし、メンテナンス性を向上させます。
@media (max-width: 768px) {
.container {
font-size: 14px;
color: blue;
}
}
長いCSSルールの管理不足
問題点
buttonの指定内に非常に多くルールが入っています。長いCSSルールは、再利用性が低く、修正が難しくなります。
.button {
background-color: blue;
color: white;
font-size: 16px;
border: 1px solid black;
border-radius: 5px;
padding: 10px 20px;
margin: 10px;
}
解決策
common-buttonという共通のクラスを作成し、ボタン全体に適用されるスタイルをまとめます。個別のボタンスタイルは、別のクラス(例: .button, .secondary-button)を追加して適用することで、再利用性を高めつつ、コードを簡潔に保てます。
.common-button {
font-size: 16px;
border-radius: 5px;
padding: 10px 20px;
margin: 10px;
}
.button {
background-color: blue;
color: white;
border: 1px solid black;
}
.secondary-button {
background-color: gray;
color: black;
border: 1px solid gray;
}
アクセシビリティを考慮しないカラー設定
問題点
カラーコントラストが低いと、視覚的な問題があるユーザーには読みにくい場合があります。
.text {
color: #888;
background-color: #eee;
}
解決策
カラーコントラストをチェックツールで確認し、十分な視認性を確保します。
.text {
color: #333;
background-color: #fff;
}
不要な単位指定
問題点
数値が0の場合、単位指定は不要です。単位を省略することで、コードをより簡潔にできます
.container {
margin: 10px 0px 10px 0px;
padding: 0px;
}
解決策
単位が不要な部分を省略することで、CSSの可読性と効率が向上します。
.container {
margin: 10px 0;
padding: 0;
}

